前澤化成のトップページへ 適合製品検索トップへ 排水設備の基礎知識トップへ 製品一覧検索トップへ
 

 排水設備の基礎知識<設計編>

排水管の決定

1

排水管の最小管径と勾配

(『下水道排水設備指針と解説 1996年版日本下水道協会』による。)

汚水管

1 汚水のみを排出する排水管の内径および勾配は、特別な場合を除き、表-1の排水人口から定めます。
※ただし、一つの建物から排出される汚水の一部を排除する排水管で、管路延長が3m以上の場合は最小管径を75mm(勾配100分の3以上)とすることができます。
2 工場、事業所排水がある場合は、流量に応じて管径及び勾配を定めます。
3 小規模の下水道においては、公共下水道本管の管径を考慮して、排水管の管径を定めることができます。
表-1
排水人口 管径(mm) 勾配(mm)
150未満 100以上 100分の2以上
150以上 300未満 125以上 100分の1.7以上
300以上 500未満 150以上 100分の1.5以上
500以上 200以上 100分の1.2以上

雨水管または合流管

雨水管または合流管の管径および勾配は、表-2により排水面積から定めます。
※ただし、一つの敷地から排除される雨水または雨水を含む下水の一部を排除する排水管で、延長が3m以下の場合は最小管径を75mm(勾配100分の3以上)とすることができます。
表-2
排水面積(m2) 管径(mm) 勾配(mm)
200未満 100以上 100分の2以上
200以上 400未満 125以上 100分の1.7以上
400以上 600未満 150以上 100分の1.5以上
600以上 1500未満 200以上 100分の1.2以上
1500以上 2500未満
250以上 100分の1以上
 
図1

その他の場合

排水人口及び敷地の形状、起伏などの関係で上記表による管径、勾配を用いることができない場合は、所要の流速、流量が得られる管径、勾配を選定します。下水道法施工令では、排水管の施工上の問題、維持管理を考慮して、排水管の勾配を止むを得ない場合を除き1/100以上とすると規定しているので、硬質塩化ビニル管、卵形管を使用する場合でも1/100以上とするのが望ましい。
2

管内流速

管内流速は管内の掃流力を考慮して0.6〜1.5m/秒の範囲とします。ただし、やむを得ない場合は、最大流速を3.0m/秒とすることができます。
 
3

管種の選定

流量、水質、布設場所の状況、荷重、管の強度、管の形状、工事費、将来の維持管理を考慮し、各種管の特性と照らし合わせて選定します。(一般に宅地内では、硬質塩化ビニル管(VU管)が使用されます。)

硬質塩化ビニル管は水密性、耐薬品性に優れ軽量で施工性も良いが、露出配管の場合は耐候性に留意します。原則として、地中配管部には、VU管を使用し、露出配管部にはVP管を使用してください。

管を接続する継手には、管厚の違いによって内面に段差の生じないもの(VU管にはVU継手、VP管にはDV継手)を使用してください。

ページトップへ

4

土被り

排水管の土被りは、原則として20cm以上としますが、荷重などを考慮の上、必要な土被りを確保します。なお、露出管または特別な荷重がかかる場合等は防護を施します。寒冷地の場合は、凍結深さを考慮して土被りを定めることが必要です。凍結深さの算定の一例に、次式によって気象観測データから推定する方法があります。
計算式 図4-1

Cは土の熱的定数、含水比、乾燥密度、凍結前後の土表温度などによって定まり、凍結指数にも影響されます。Fは気温と継続日数の積で表わされる値であり、この値は過去10年の最大凍結指数として、道路土工排水指針(日本道路協会)などに掲げられているので、それを参照してください。砂利や砂などのように、凍上を起しにくい均一な粒状材料からなる地盤の凍結深さと、凍結指数との関係の例を図−1に示します。また、凍結深さと土被りの例を示すと表−3の通りです。

表-3
地区 凍結深さ(cm) 土被り(cm)
道央 60〜80 30〜80
道南 20〜60 30〜55
道北 50〜90 40〜70
道東 50〜120 50〜80
図-1 凍結深さと凍結指数との関係の例

5

公共マスへの取り付け

分流式の排水管は、汚水管および雨水管に分け、汚水管は公共汚水マスに、雨水管は公共雨水マスまたは側溝に、それぞれ敷地内において1本の排水管にまとめて取り付けます。合流式の排水管は、雨水と汚水を敷地内において1本の排水管にまとめ、公共マスに取り付けます。
 
6

基礎及び保護

排水管は、沈下、損傷を防止するため、必要に応じて基礎、保護を施します。硬質塩化ビニル管の場合、普通地盤の場合は通常5cm程度の砂基礎とします。また、管の埋設深さをやむを得ず浅くする必要がある場合は、耐圧管または、さや管等により排水管が損傷を受けることのないように防護工を施します。

ページトップへ

7

トラップ

排水管へ直結する器具には悪臭防止のため、器具トラップの設置を原則としますが、次に該当する場合は、トラップを設置 します。
(1)器具トラップが設置できない場合
(2)既設排水設備の各汚水流出箇所のトラップ
   取付工事が技術的に困難な場合
注) 1 トラップは、他のトラップの封水保護と汚水を円滑に流下させる目的から、二重トラップにならないようにします。
  2 トラップには、トイレの排水を接続させてはならない。
  3 トラップには毛髪、布糸または、固形物を流さないように注意します。
 
二重トラップの防止


トラップの構造

トラップは封水の機能によって、排水管または公共下水道からガス、臭気、虫などが器具を経て、屋内に浸入するのを防止するために設けます。
封水深は50mm〜100mmとし、封水を失いにくい構造とします。
排水口からウエアまでの垂直距離600mm以下にしてください。
二重トラップ(器具トラップを有する排水管を、トラップマスに接続するなど)とならないように注意してください。
  図7-2
※Pトラップ、Sトラップ、Uトラップを総称して管トラップといいます。
※管トラップの特徴として、利点は小型で自身の排水で洗い流す自己洗浄力があることで、欠点は、封水が破れやすいことです。
Pトラップ図
Pトラップ
Sトラップ図
Sトラップ
Uトラップ図
Uトラップ
Pトラップは、一般に広く用いられ、他の管トラップに比べ封水が最も安定しています。 Sトラップは自己サイフォン現象を起こしやすく、封水が破れやすい。 Uトラップは主に横管に設置されるため、沈殿物が停滞しやすく、流れに障害が生じやすい。
※Pトラップは、Sトラップと共に水洗器、洗面器用として広く使用されています。これに通気管を設ければ、封水安定の理想的な型となります。 ※Sトラップは、極めて自己サイフォン現象を起こしやすい型なので、あまり使用しないほうが無難です。 Uトラップは、排水管の流速を阻害し、汚物などの停留を招く欠点があるので、止むを得ない場合のほかはあまり用いないほうがよいでしょう。

ページトップへ

8

通気管

通気管は、排水管内の排水の流れを円滑にする、またはサイフォン作用、および負圧からトラップの封水を保護することと、排水管内に新鮮な空気を流通させて、排水管路内の換気を行うことを目的とし施工します。2階以上の建物、共同住宅等、複数の排水設備器具が設置される場合は、各々単独で配管する場合の他は、誘導サイホン作用が生じやすく、封水破壊の恐れがあるので、有効な通気方式で通気管を設けるものとします。
9

トイレ配管の注意事項

トイレ排水との接続にはVU100のパイプを使用してください。また、屈曲部には、大曲エルボ[VULL100]を使用することを基本とします。トイレとの接続配管は75mmサイズでも可能ですが、配管方法によっては、便器の封水を破壊することもあります。通気管工事をしない場合は、75mm配管はできるだけ避けてください。

図8-1
トラップインバートマスまたは、U型トラップ、P型トラップにはトイレの排水を接続しないでください。
二重トラップとなり、封水破壊、または管路がつまったりします。

トイレを1・2階に設ける場合

トイレの封水を破壊するおそれがありますので、通気管を設けてください。「排水吸気弁」などの設置を推奨します。
図8-2
10

防護蓋

図10

ページトップへ

11

設計上の諸注意

1 将来の増築、改築等の計画をも考慮し、将来敷設替えを生じさせないように、十分な管径、勾配、土被りを選びます。
2 勾配は、ある程度きつめにして、管内の自浄効果を助長させます。
3 配管位置は、最短距離をとります。ただし、床下、空き地等の便宜的な縦横断は避けるようにします。
4 枝管による接続はなるべく避けるようにします。
5 ビニマスを雨水マスに使用する場合は、要所に混入する土砂等の流下を阻止するために、底部が深さ15cm以上の泥溜を持つ雨水マス、タメマスを設けます。
6 外流しの接続は、分流区域では汚水管に接続し、地面より雨水、または土砂の浸入のない構造とします(雨水マス、タメマスを設ける)。また、外流しに雨樋の末端を取り入れないようにします。
図11-1
 
7 分流式の雨水管と汚水管は平面的に重ならないようにし、交差する場所は汚水管が下部、雨水管が上部となるように設計してください。
図11-2
8 分流式の雨水管と汚水管が並列する場合、原則として汚水管を建物側とします。
図11-3

ページトップへ

12

設計図

設計図の記号例

下水道排水設備指針と解説より
名称
記号
備考
大 便 器 トラップ付
小 便 器 トラップ付
浴 場
流 し 類
洗 濯 機 床排水、浴場に排水してあるものは除く
手洗い器・洗面器
床排水口
トラップ
掃除口
露出掃除口
阻集器
排水管
通気管
立管
排水溝
汚水マス 丸ます/角ます
ドロップマス
(汚水)
丸ます/角ます
分離マス
雨水マス 丸ます/角ます
ドロップマス
(雨水)
丸ます/角ます
陶管
陶製卵形管
鉄製コンクリート管

 
名称
記号
備考
硬質塩化ビニル管 一般管
薄肉管
硬質塩化
ビニル卵形管
 
鉛管
浄化槽 現場の形状に合わせた大きさ、形
底部有孔ます 丸ます/角ます
公共汚水マス
公共雨水マス
側溝(道路)
トラップます 丸ます/角ます
雨どい
境界線 黒叉は青
建物外壁 同上
建物間仕切り 同上
新設管(合流管
叉は汚水管)
赤色
雨水管 緑色
撤去管 黒色
既設叉は在来管 赤…合流管
叉は汚水管
緑…雨水管
鋼管
鋳鉄管
耐火二層管
強化プラスチック
複合管

マエザワビニマス

インバートマス
インバート継手
 
トラップマス
インバートマス
 

ページトップへ

設計図例

●マエザワのビニマスを使用した設計図例
排水面積 160m2 起点ます深さ No.1 30cm
地  盤 水平   公共ます深さ 80cm
最大延長 19.8m   分流式 80cm

■平面図

図12-1

写真1 写真2
 

■断面図

図12-2




写真3

ページトップへ

積算のポイント

1

積算の基礎知識

図-1
埋設深度H(mm) 掘削寸法(m)
A B H
300 0.40 0.47 0.36
600 0.40 0.53 0.66
900 0.40 0.59 0.96
1200 0.40 0.65 1.26
 
2

見積の種類


概算見積 計画する時より、どの程度の予算で工事ができるかを検討するために、現状の諸データより概算で工事費を積算することをいいます。
詳細見積 一般的に行われている完成設計図による見積で、これにより工事原価を算出します。
変更見積 工事中または、見積終了後に設計の変更等により工事費の増減があった場合に行います。
精算見積 工事完了後に現場の状況や、工事内容の変更等により工事費用が見積内容と異なった場合に行います。

ページトップへ

3

設備工事費の構成

図-2
 
4

材料の拾い方

各工事ごと、材料別に数量を拾い出し集計して整数で計上します。
数量を拾う際には、一般的に小数点以下1位程度まで計上します。
単価が高価なものについては、小数点以下2位まで計上し、積算数量を四捨五入して計上します。
配管材料は、図面で数量を拾っても実際に現場で寸法切りしたときに、半端や切りくずがでるため、前もってそのロスを加算しなければなりません。(小規模工事の場合、実延長に対し、20〜25%を加算します。)
5

見積書作成の注意点

設計図面、仕様書により工事内容を理解し、不明な点は自ら調査・検討し、疑問点は事前に設計者・その他の関係者に指示を受けます。
設計図面・仕様書に明示のない事項でも、施工上、当然必要なものは計上します。
機器類・使用材料については、以下の規格等に合ったものを使用すること。
日本工業規格・日本下水道協会規格・日本水道協会規格・空気 調和衛生工学会規格等
諸官庁に定められた法令・政令・規則・基準事項に基づいた施工が行えるように積算を行うこと。